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新・原発関連情報 7

7. 放射性核種は海流によって どのように太平洋で広がっていくか?

 福島からの放射性核種が海水中でどのように広がるかは、その溶解度に左右される。セシウムストロンチウムは比較的よく溶けるので、したがって、海流によって効果的に運ばれていく。
 これらの放射性核種は沈んでいく浮遊粒子へも僅かしか堆積しないので、この堆積という形では放射能のほんの一部分だけが上部の水の層から除外されるだけである。

 その代わりにプルトニウムとアメリシウムは、これらが放出される場合には浮遊粒子に強く堆積し、それによって非常に速く堆積物の中へと沈んでいく。
 これは、プルトニウムとアメリシウム同位体が福島で海水に至る場合には(これに関して信憑性のある指摘はこれまでにはないが)、福島の至近距離で既に海底に沈み、ほんの少量だけが運ばれていくということを意味している。

 ウィキペディアにある地図には、大洋での大規模な海流の状況に関する概要がある。他の地図は福島近辺の海流に関した情報を提供している:
Karte globale Strömungsverhältnisse (Quelle: Wikipedia)
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/16/Ocean_current_2004.jpg

Karte Strömungsverhältnisse vor Japan (Quelle: Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Japan%27s_ocean_currents.PNG

 キール大学海洋学者は キールのIFM‐GEOMARとアメリカのコロンビア大学と共同して放射性海水の流れ方をモデル化し、コンピューター・シミュレーションとして 映像的に表現した。
zur Computersimulation (Film zum Strömungsverhalten)
http://www.ozean-der-zukunft.de/fukushima/

 6 月 27 日に日本の文科省(MEXT) は似たようなシミュレーション計算を公開した。これには初めてセシウム137の海への流入――空気を介してと直接流入したものの両方――に関して実際のソースターム *1 からの値が用いられた。
 下記のリンクにある説明には2012年〜2018年までに関するセシウム137の拡大予想地図が含まれている。
zu den Cs-137-Ausbreitungsprognosen
http://www.mext.go.jp/component/english/__icsFiles/afieldfile/2011/07/21/1305757_0721.pdf

 最新の知見に従えば (質問 5 を参照) 、太平洋における放射性核種の拡散と希釈によって日本から非常に離れた海域において言及する価値があるほどの放射能が魚に濃縮するリスクは非常に僅かであると我々は評価しているが、この海域で捕獲された魚を定期的に検査することで更なる安全性が保証されるだろう。

*1: source term: 炉心損傷事故時、燃料は溶解し核分裂生成物が炉心から放出され、一定の漏れ率で環境へ放される。環境への影響を評価するには、核分裂生成物の種類、化学形、放出量を明らかにする必要があり、これらを総称してソースタームと呼ぶ。