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新・原発関連情報 8

8. 海洋動物はどのように汚染されるか?

 魚は主に食料から放射性核種を摂取し、直接水から摂取することはあまりない。
 人間にとって重要な食用魚はたいてい数段階に及ぶ食物連鎖の終わりに位置し、この食物連鎖の個々の部分がそれぞれ摂取を遅延させることになる。
 放射性物質は正常な代謝の過程の中で細胞内に取り入れられるが、再び排泄もされる。

 もちろんこれはすぐにではなく、時間的な遅延を伴って行われる。
 セシウムを例にとれば、魚におけるいわゆる「生物的半減期」とは、摂取されたセシウムの半分が再び排泄される時間のことである。
 それ故に福島由来の短命の放射性核種であるヨウ素131とセシウム136に関しては、魚の中で最大値に達するずっと前に崩壊するということになる。
 セシウム同位体は魚の中で(Bq/kg という単位の値)海水中の放射能濃度(Bq/L という単位の値)と比べて約100倍濃縮されるが、これは水中において程度に差こそあれほぼ一定の放射能濃度を仮定にした場合においてである。

 2002年の日本の論文(T. Iibuchiら、2002年:海洋生物のセシウム137 の濃度に関連するいくつかの生物学的要因、放射性分析と核化学ジャーナル252、281〜285頁)では、日本の沿岸海域における海洋動物のさまざまなグループについてのセシウム137 の濃縮係数が調査されている。

 これらの値は食物連鎖に沿ってどのように濃度が蓄積されるかということを反映するものである。
 そこでは動物プランクトンに関して18 というファクター(係数)が挙げられているが、これは動物プランクトンにおける濃度(Bq/kg)が周囲の水(Bq/L)におけるよりも18倍高いということを意味する。十脚類(カニ/甲殻類)に関してはファクター25で、動物プランクトンを食べる魚は30、小魚を食べる魚では55、そして食物連鎖の最後の魚はファクター85である(これらの値はそれぞれの平均値)。